湯ヶ野温泉
福田屋

伊豆の中にあってはこぢんまりとし、落ち着いた雰囲気の湯ヶ野温泉。ここに、川端康成が「伊豆の踊り子」を執筆した宿、福田屋があります。宿は河津川を渡った所にあり、木造の宿は雰囲気も十分。伊豆の踊り子の足跡をたどり、宿の前で写真を撮る人がたくさん訪れていました。

宿には創業以来使われているという内湯の榧（かや）風呂と露天風呂があるそうです。日帰り入浴の場合は、どちらか１つと言われ、内湯の榧風呂の湯に浸かりました。 　榧風呂は帳場前にあり、男女が交替で利用するようになっています。脱衣所で服を脱ぎ、扉を開けると階段を下りた所に湯船がある、半地下風呂といった趣。１．６ｍ四方の小さな枡形の湯船には無色透明の湯が蕩々とあふれていました。湯口には飲泉できるようにカップが置いてあります。わずかにぬるめでいつまでも浸かっていたくなる湯温。一人静かに湯に浸かりながら「伊豆の踊り子」のことなどに思いを馳せていると、時はかなり進んでいるのでした。一度は泊まってゆっくりとしたい宿です。

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